天文学者のチャン教授の発見により、人類は1日につき128バイト(文字にして約100語文)の情報を過去に送ることが可能になった。すると人々は毎日の出来事を日記に書き、それを過去の自分に送り始めたのだ。ぼくの人生最後の日の日記は、2032年に受信された。ぼくが生まれる18年前で、ぼくが死ぬ100年前だ。
ぼくは〜日記により既に知っている〜毎日を、日記通り生きていく。
また、学校ではこれからのミレニアム(千年紀)の歴史を教えている。飢餓と疾病が消え去り、貧困も差別もない明るい未来。ぼくはそんな未来が来ることを全く疑ってはいなかったのだが・・・
「祈りの海」より「百光年ダイヤリー」
グレッグ・イーガン著 ハヤカワ文庫
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